しなやかになれと足指ひっぱって
恐竜になるまで草を食べなさい
泣かぬのを不思議がられていて五月
群青になるまで空を煮詰めます
枠線を引いて自由にしてあげる
無職の息子とながめている五月
柔軟のついでに教える蝶結び
消しゴムをかけると浮いてきた答
届くころには全く興味ありません
ぴんくいろ探して水をかきまわす
はじまりのようにわらっていましょうね
賑やかに送ってもらう岸辺まで
叩かれに帰ってきます弟は
脇の下に挟んでみる餡パン
食パンのどんどん厚くなるおうち
冷蔵庫誰だかわからなくなるよ
声に出すまでは泣かずにいられます
訓練を積んでピンクの声を出す
思い出に挟む忘れてしまう声
挟まれているので立っていられます
散りそこなった昔話を切り刻む
散り方は教えてもらわないで咲く
鳴らしてはいけない鈴を持たされる
別れてくれない夕焼けのままで
子を産んでもらって春の遊園地
鈴だけをならしてすぐにいなくなる
ごはん炊くからね元気になるからね
炊き合す彼女と彼のおとうさん
青く塗り込めて長生きできそうだ
この世から見ている青のはしっこを