担当の先生が遅い夏休みをとるそうだ。
先生は京都に家族を置いて、自分は病院の近くでひとり暮らしをされている。
「すんませんなあ。休ましてもらいますわ」
「いいえ、ゆっくり休んでください。
奥さんが家出しないように」
「ほんまや。久しぶりに帰るんで、もうおらへんかも…」
わたしのほうも診察はお休み。
家にいるようになると、インターネットで買い物ばかりしている。
今日はうがい薬と北極のアイスキャンデーを買った。
先週はフットバス。その前はヨックモックのクッキー。
近くのスーパーは、食料品や日用品をネット注文でその日のうちに配達してくれる。
昔の自宅療養の人はたいへんだったろうな。
いろんな事を人に頼むのは意外と疲れる。
自分ができなくなったことを思い知らされる。
私の遅い夏休み。ほかにはなにができるかな。